〇Q&A集

Q1:
サステナビリティ報告書等に対する第三者審査とはどのようなものですか?
Q2: 第三者審査を受ける企業の数はどのような傾向になっているのですか?
Q3: 第三者審査を受ける企業が増えている背景にはなにがありますか?
Q4: 第三者審査を受けている企業にはどのようなところがありますか?
Q5: 第三者審査を受けるメリットにはどのようなものがありますか?
Q6: 第三者審査を受けるのにかかる費用はどのくらいですか?
Q7: サステナビリティ報告書を完成させてからでないと、審査人にみてもらえませんか?
Q8: 我が社の開示しているサステナビリティ情報はホームページに掲載しているだけで、紙媒体に印刷したものを発行していないのですが、第三者審査を受けることができますか?
Q9: サステナビリティ情報の誤っていることが第三者審査の審査人に見つかったらどうなりますか?
Q10: 審査報告書にはどのようなことが書かれているのですか?
Q11: 第三者審査の審査機関に詳しく話をききたいのですが、どうすればよいですか?
Q12: サステナビリティ情報審査協会は第三者審査の審査機関ですか?
Q13: サステナビリティ情報審査協会はどのようなことをしているのですか?
Q14: 環境省主催の環境コミュニケーション大賞において、サステナビリティ情報審査協会会長賞があるとききましたが、どういう賞ですか?
Q15: どうすれば第三者審査の審査人になれますか?
<Q1>

サステナビリティ報告書等に対する第三者審査とはどのようなものですか?


企業のサステナビリティ報告書等に記載されている情報をもとにその企業を評価しようとするステークホルダーにとって、適切に評価し意思決定するためには、そのサステナビリティ情報が信頼できる情報であることが不可欠です。

 

ただし、企業のサステナビリティ情報の信頼性をステークホルダー自らが評価することは通常は極めて困難です。

 

それゆえ、企業の委託に基づいて第三者である専門の審査機関がステークホルダーに代わり、確立された基準に則って企業のサステナビリティ情報の信頼性を調べてその結論を述べるという一連の行為を行っており、これを第三者審査と呼んでいます。

 

第三者審査は、企業のサステナビリティ報告書等に記載されている情報の信頼性を裏付ける、適切かつ十分な証拠を入手するためのさまざまな手続からなります。

  

<topへ>


<Q2>

第三者審査を受ける企業の数はどのような傾向になっているのですか?


国内、海外ともに、第三者審査を受ける企業の数は年々増加しています。

 

日本では日経225株式指数選定銘柄を対象にした調査があり、その調査報告によると、2020年においては225銘柄のうち223社がサステナビリティ情報を報告しており、そのうちの138社(62%)が第三者審査を受けています(右図参照)。

 

 

 

 

 

(出典:KPMG「日本におけるサステナビリティ報告2020」)

 

世界では世界の売上高上位250企業(下図の「G250企業」)においては、基調トレンドで71%、並びに世界52か国の売上高上位各100社(計5200社。下表の「N100企業」)においては、基調トレンドで51%の企業が第三者審査を受けています(下図参照)。

※基調トレンドは2020年の調査対象の国・地域が2017年と同じだった場合の分析結果に基づくものである。

(出典:KPMG「KPMG Survey of Corporate Responsibility Reporting 2020」) 

 <topへ>  


<Q3>

第三者審査を受ける企業が増えている背景にはなにがありますか?


2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の目標(SDGs)や同じ年のCOP21で採択されたパリ協定などをきっかけに、世界が持続可能な社会に向けて大きな変革を遂げようとしていることの認識が浸透し、経営環境の変化に伴う経営リスク(しばしばESGリスクと呼ばれます)が強く意識されるようになりました。

 

ESGリスクを評価してその結果を公表する企業格付やESGリスクを評価に反映させた株式指数がいくつも生み出され、それらのデータをもとに年金基金をはじめとする有力な機関投資家が新たなESG投資のポートフォリオを構成したりしています。

 

これらのことから、透明かつ信頼性の高いサステナビリティ情報の開示がますます高く評価されるようになり、それが第三者審査を受ける企業の増加の主な背景となっています。

 

<topへ>


<Q4>

第三者審査を受けている企業にはどのようなところがありますか?


サステナビリティ情報審査協会は、その会員審査機関が第三者審査を実施し、審査対象であるサステナビリティ情報の信頼性に対して肯定的な結論を表明したサステナビリティ報告書等の発行企業を、サステナビリティ情報審査協会のウェブサイトに紹介しています。

 

<topへ>


<Q5>

第三者審査を受けるメリットにはどのようなものがありますか?


第三者審査を受けることにより、開示されているサステナビリティ情報の信頼性と透明性が高いことを、読者にわかりやすく訴えることができます。

 

さらにそのことを通じて、持続可能な社会へと向かう世界的変革の潮流の中で、ESG評価機関や機関投資家あるいは取引先、金融機関などによって、高く評価されることが期待できます。

 

また、第三者審査を受けることによって、企業のサステナビリティ経営管理における強み、弱みが明確になり、開示情報の信頼性と透明性や企業の内部統制などについて、継続的な改善の機会を得ることが期待できます。

 

<topへ>


<Q6>

第三者審査を受けるのにかかる費用はどのくらいですか?


第三者審査を受ける企業の業種や規模、あるいは審査の対象とする情報の種類など、第三者審査に係る費用はさまざまな要因に依るところが大きく、数百万円から数千万円までの幅があると考えられます。

 

詳細は当協会認定の審査機関にお問合せください。(審査機関はこちら ⇒ クリック

 

<topへ>


<Q7>

サステナビリティ報告書を完成させてからでないと、審査人にみてもらえませんか?


第三者審査は、通常、サステナビリティ報告書等の制作途上の時期に実施されます。

 

審査人には、必ずしも完成したサステナビリティ報告書等を提示する必要はなく、サステナビリティ報告書等の原稿(ならびにサステナビリティ情報の信頼性を裏付ける証拠(集計表など)、その他審査人が求める証拠)を提示してください。

 

<topへ>


<Q8>

我が社の開示しているサステナビリティ情報はホームページに掲載しているだけで、紙媒体に印刷したものを発行していないのですが、第三者審査を受けることができますか?


サステナビリティ情報審査協会では、当協会認定の審査機関がWEB情報を対象に第三者審査を実施することができるように「WEB情報に対する保証に係わるルール」を定めています。

 

実際に、WEB情報を対象にした第三者審査を受けている企業は少なくありません。詳細は当協会認定の審査機関にお問合せください。(審査機関はこちら ⇒ クリック

 

<topへ>


<Q9>

サステナビリティ情報の誤っていることが第三者審査の審査人に見つかったらどうなりますか?


第三者審査の手続の過程において、集計された結果や集計の方法などに誤りがあることを審査人が発見したら、軽微なるものを除き、修正が必要な旨を企業に伝えます。

 

発見された誤り(同様な誤りを含む)について、審査手続の完了する前に企業が適切な修正を施したことを審査人が確かめたら、そのあとはあたかも誤りがなかったのと同じように扱われます。

 

第三者審査の目的は合格・不合格を決めることではなく、信頼できるサステナビリティ情報を企業が社会に発信することを支援することにあります。

 

それゆえ審査人は、発見した誤りの修正を企業に促し、結果として企業が信頼性の高いサステナビリティ情報の開示を果たすことをめざします。

 

ただし仮に、重大な誤りに対して審査手続の完了するまえに企業が適切な修正を施さなければ、審査対象であるサステナビリティ情報の信頼性に関してネガティブな結論の記載された審査報告書が発行される可能性があります。

 

<topへ>


<Q10>

審査報告書にはどのようなことが書かれているのですか?


審査報告書には、通常以下の事項を記載します。

(1) 表題

 報告書が独立した立場からの審査報告書であることを明確に示す表題とします。

(2) 日付

 審査報告書の日付は、審査機関の責任に関わるため、審査機関が自らの責任において審査が終了したときの日付とします。

(3) あて先

 あて先は、最高経営責任者(代表取締役、取締役会等)とします。

(4) 審査機関名

 利用者に対して業務に関する責任の所在を明らかにするために記載します。

(5) 事業体の責任の記述

 ESG情報の作成責任は企業等の経営者にあることを記載します。

(6) 審査機関の責任に関する記述

 審査機関の責任は独立の立場からESG情報に対する結論を表明することであることを記載します。

(7) 適用される規準

 審査機関がESG情報の信頼性を判断するための判断基準として用いたESG情報の作成基準を記載します。

(8) 審査機関が実施した手続きに関する記述

 審査業務が、サステナビリティ情報審査実務指針などの業務実施基準に準拠して実施されたこと及び審査機関の手続きの概要を記載します。

(9) EGS情報が、すべての重要な点において、適用される規準に準拠して作成されているかどうかについての審査機関の結論

 合理的保証業務の場合は積極的形式により、限定的保証業務の場合は消極的形式により表明されます。なお、審査機関が無限定以外の結論を表明した場合、その結果に至ったすべての理由を明瞭に記載します。

(10) 審査機関代表者の署名

(11) 審査機関が業務を行う管轄区域の所在

(12) 規準に照らしてESG情報を測定又は評価する場合の重要な固有の限界

 適切な場合には、温室効果ガス(GHG)算定が固有の不確実性の影響下にあることの記載等、適用される規準に照らしたESGの各側面の測定又は評価に付随するすべての固有の限界を記載します。

 なお、GHG報告の場合は必要に応じ以下を記載します。

(13) 対象期間を含むGHG報告の特定、及び、審査機関の結論の対象とならない情報がある場合は、除外された情報だけでなく、審査の対象となる情報の明確な識別、並びに、審査機関が除外した情報に関して何らの手続きも実施しなかったこと、したがってそれに関して結論を表明しないことの記載

(14) GHG報告が審査機関の結論の対象でない排出量控除を含んでいる場合は、その排出量控除の識別、及びそれらに関する審査機関の責任の記載

 

 (出典:サステナビリティ情報審査協会著「ESG情報の外部保証ガイドブック」((株)税務経理協会))

 

<topへ>


<Q11>

第三者審査の審査機関に詳しく話をききたいのですが、どうすればよいですか?


当協会認定の審査機関に直接お問い合わせていただくか(審査機関はこちら ⇒ クリック)、 審査機関をご紹介いたしますので、サステナビリティ情報審査協会にお問合せください。

 

<topへ>


<Q12>

サステナビリティ情報審査協会は第三者審査の審査機関ですか?


サステナビリティ情報審査協会自体は審査機関ではありません。

 

協会の活動内容等はQ13の回答をご覧ください。

 

<topへ>


<Q13>

サステナビリティ情報審査協会はどのようなことをしているのですか?


サステナビリティ情報審査協会は、サステナビリティ報告書等における審査・検証の公平性、透明性、独立性、信頼性を確保するとともに、効率的かつ有効な審査・検証の実施を促進し、持続可能な経済社会の構築に寄与することを目的として、主に以下の活動を行っています。

  (1)審査機関の認定・登録、倫理及び品質管理に関するピアレビュー

  (2)審査人の認定・登録、 研修の実施

  (3)各種運用ルールの策定

  (4)サステナビリティ報告書等の登録

  (5)サステナビリティ情報開示に係る有益な情報の提供

 

<topへ>


<Q14>

環境省主催の環境コミュニケーション大賞において、サステナビリティ情報審査協会会長賞があるとききましたが、どういう賞ですか?


環境コミュニケーション大賞に協賛するとともに、「報告書としてすぐれていることに加えて、第三者審査を受け、さらにその他にも環境に関する取組について情報の信頼性・透明性向上に特段に努力が見られる報告書」に、信頼性報告特別優秀賞(サステナビリティ情報審査協会会長賞)を授与しています。

 

なお、当協会は専門家として、受賞候補作品の選定にも協力しております。

 

これまでの信頼性報告特別優秀賞(サステナビリティ情報審査協会会長賞)の受賞作品はこちら( ⇒ クリック)をご覧ください。

 

また、環境コミュニケーション大賞についての詳しい情報は(一財)地球・人間環境フォーラムのページ(https://www.gef.or.jp/activity/economy/eco-com/)をご覧ください。

 

なお、環境コミュニケーション大賞は令和2年度の開催をもって休止しています。

 

<topへ>


<Q15>

どうすれば第三者審査の審査人になれますか?


サステナビリティ情報審査協会では、求められる力量を有する審査人による第三者審査の実施を社会に広めるために、審査人の認定と登録のための研修及び審査人資格試験を定期的に行っています。

 

研修及び資格試験については随時サステナビリティ情報審査協会のホームページで案内しています。

 

<topへ>